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(施設)にこだわっていましたが、ハードがなくてもソフト(人)が集まれば、夢が実現できることに気付かされたんです。まさに、目からウロコが落ちる気分でした」

それからの浦上さんの行動は実に素早かった。まずは、パートナーであるドクターに相談。これまでの活動経験から、「高齢者や障害者が住み慣れた地域で暮らし続けるには、企業が団体が学校が、そして市民が一体となって、自分たちでできることは自分たちでやっていこうという相互扶助の精神が必要」との見解で一致するやいなや、さわやか福祉財団に電話をかけて直近のリーダー研修会に参加した。それからたったの半年で、団体設立までこぎつけたのだった。

普通、仕事を持ちながらの団体設立連営はむずかしいが、浦上さんの場合は職場の理解が得られたこと(そのために転職もしたのだが)が大きい。もちろん『さわやか熊本』は『清心会』とはまったく別組織の市民互助型の非営利団体だが、『清心会』は同団体の賛助法人となり、地域の一員として金銭的な支援を行っているという。

 

助け合いの輪を広げることは自分に課すれた使命だと思うんです。

こうして二〇名ほどの会員でスタートした『さわやか熊本』。設立から半年を迎えた時点で、会員数は約五〇名、平均活動時間は月二五時間程度になるという。活動の内訳としては、移送サービス、車イスの介助、話し相手がそれぞれ約三分の一ずつで、あとは草刈りや家屋の修理など。

 

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第1回会員交流会。

 

「助け合いというと、とかく、介

 

 

 

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