でもかというくらい文字が小さいものが多い。ちなみに手元にある保険会社の「ご契約のしおり・約款」と書かれた冊子の表紙には、「この冊子はご契約に関する大切なことがらを記載したものです。ぜひ、ご一読のうえ、のちほどお送りする保険証券とともにご保存ご利用くださいますようにお願いいたします」とあるが、一体、きちんと読んだ人は何人いることやら。ところが概して、こうした米粒のような文字の中に重要事項が記されているからやっかいだ。
以前、有料老人ホームに入居する際、契約書の内容をきちんと理解せずに印鑑を押してしまい、「こんなはずではなかった」と苦情や相談が持ち込まれるケースが後をたたないという話を取り上げたが(一九九七年十一月号・本音トーク)、これもあながち記載されている文字の大きさと無関係ではなかろう。
民間の調査機関である「セゾン総合研究所(旧商品科学研究所)」が二〇代から六〇代の男女延べ六八四人に、家電製品や薬、日用品など三四品目の説明書に対して日頃抱いている意識を調査した結果を見ても、「読みにくい」「多機能になって説明書が厚く