近年、JR東日本等が「シルバーシート」の名称を「優先席」に変えて話題となったがこれもその一例が。それまでは高齢者のための席という印象が強かったが、JR東日本では名称と窓ガラスのシールデザインそして「乳幼児をお連れの方、妊娠している方…」と案内文を変えることで(文字は小さいが)、高齢者以外の妊婦や幼児を連れた人なども優先の対象であることを強調。座席数も五倍に増やしたという。「元気なお年寄りも多いのに、高齢者全体を特別扱いしているようなイメージもあった」と、同社では高齢者に対する配慮も付け加えるが、確かに「この席は高齢者仕様ですよ」と特定されるのは、若い人から見ればやさしさと思うかもしれないが、本人たちにとっては疎外感につながりかねない。でも、「みんながいっしょに使える席ですよ」ということなら、グンと抵抗は少なくなる。
また、自治体が高齢者向け事務を担当する部課名を変え始めたのも、こうした社会の価値観の変化を象徴するものかもしれない。