日本財団 図書館


者や障害者が積極的に外出することを前提としていなかった。それを押して利用するなら「我慢して当たり前」というおごった感覚が一般市民の中にさえなかったとはいえない。

しかし一方で、そうした「配慮」を具体化するには新たな費用が必要なことも事実だ。低床式バスは誰にでもより便利がもしれないが、新仕様の車体は割高。それが普及の足かせのひとつになっている。メー力ー、運行会社の企業努力は不可欠だし、また、実際にコスト削減に向けて連携の動きもあるようだが、では利用者としての私たちの意識はどうだろう。「自分は大丈夫だが他に不便を感じる人がいるなら、その解消のために運賃が多少上がっても仕方がない」と思えるだろうか。

018-1.gif

日本経済新聞98年9月18日付より。東京都と大阪市など七政令指定都市の公営バスが仕様の統一を決定。メーカー側と共通仕様によるコスト削減に向けた検討をはじめた。

 

高齢者をめぐるサービスや名称にも変化が

さて、よくよく周りを見回してみれば、モノだけでなく、サービスなどにもユニバーサルデザイン的な発想に対応した変化が見られる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION