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堀田 まさにそうですね。

朝倉 地域と連携して余剰人員も受け入れる。企業中心の日本文化の体質にあったNPOの形があってもいいと思っています。ただその場合、やはり個人の意識も変えていくことが必要ですね。

堀田 おっしゃる通りです。伸びた寿命の中で、個人個人がどう生きようとするのか。一人ひとりが考え行動しなければ他人はどうすることもできませんから。

朝倉 年を重ねてから自らを変えるのは大変でしょうが、自分を変えようという前向きな姿勢。まさにアクティブ・エイジングですよね。社会に頼るだけでは困ります。

 

宗教に代わるNP0活動の原動力は?

朝倉 以前、JR東海の方と対談した時のことですが、フルムーンでお出かけになるととにかく夫婦げんかが多いとか(笑)。

堀田 よくわかりますよ(笑)。

朝倉 夫は妻と旅行しても話がまるでできない。妻は夫よりも友達と旅行に行くほうが楽しいんですね。フルムーンで夫婦楽しく旅行しようと思ったら、少なくとも三年前くらいから心の準備、練習をはじめてくださいと。

堀田 三年、ですか。

朝倉 今の若い世代は変わりましたが、定年を迎え、高齢といわれる男の方、自分を楽しむことはまだできても、周囲も楽しくしようという意識が非常に少ないから訓練が必要なんだと。

堀田 確かにだいたい男が悪いんです(笑)。妻、家族、友人、仲間。仕事時代の肩書きを捨てて、一個人としていかに周囲を温かくもてなすことができるか。定年後、社会のために経験を生かす気持ちはあっても、前提として人が好きじゃないと結局うまくいかないかな。人が好きだから人が喜ぶことが自然にできるんですよ。

朝倉 老人ホームでもユーモアがあって、小さなことでもありがとうとウインクしたりかわいらしさ

 

 

 

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