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一三〇歳まで生きられるという説もありますよね。でもそのためには、お話の通り、今の社会構造、人生観などをすべて根底から見直さないといけない。

朝倉 六五歳で定年退職して一〇〇歳までの三五年の設計図をどうするか、なんです。不況で終身雇用も壊れてきました。基盤に対する不安が募って、それが高齢社会に暗いイメージを与えていますね。

 

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堀田 たとえば私は、月曜から木曜まで若者や中年が働き、金・土・日は働く気のある高齢者が仕事を受け持つとか、仕事の中でも、消費者への説明や研修などインフォーマルな仕事は高齢者にやってもらうといった職務分担システムの促進が今後有効になると考えています。高齢世代の人に、心身にふさわしい仕事を作り出す。彼らにできる仕事を若い世代がやってしまっているのが今の社会なんですよ。今、企業ではしきりにリストラがいわれていて、それも必要だろうけど、作りっぱなし、売りっぱなしではこれからは済まない。もっと消費者の立場に立った周辺サービスが要求されてきます。その分野は体力は衰えても経験を重ねた高齢者に向いているなと。

朝倉 たとえば高齢者の方が企業と連携したNPOで活躍されるとか、いいですね。私は企業内NPOといっていますが、企業の力、経営能力をどんどん借りたらどうでしよう。

 

 

 

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