朝倉 はい。社会環境、医療、自身の考え方、すべて総合して理性的に分析して、加齢に対して科学の力でどれだけサポートして、従来と違ったものをつくっていけるか、そんな研究です。
堀田 おもしろい学問ですね。日本でも昔の六〇歳、七〇歳とではまったく違っているし、社会の枠組み、生き方すべて見直す必要がありますからね。
朝倉 そうなんです。私はこれを"アクティブ・エイジング"(active-aging)と言い換えて、日本にも紹介していこうと思っています。"アンチ"と打ち消す言葉は日本人にはちょっと引っかかる。むしろ肯定的に、前向きに取り組む音にしたかったんです。
堀田 よくわかります。ぴったりですよ。"アクティブ・エイジング"、肉体的な衰えは避けられないけれども、加齢を積極的に生かせる社会を作り出す-。
朝倉 アメリカでは最先端の環境が得られれば、平均寿命一〇〇歳もそう遠くないといわれています、今年年齢学の勉強で、十二時間以上のボランティア活動として、ナーサリングホーム、日本でいう老人ホームのような所に行ってきました。二七〇人くらいの方が暮らされていて、七割近くが九〇歳以上なんですよ。共同住宅のように、普段は他人の手を借りずに暮らされていたり、みなさん本当にお元気で。
堀田 あらゆる病を克服したら、一二〇歳、