などがなくなる)などから、宣告を受ける人は多くない。実際、介護保険制度の下で痴呆症になった高齢者はその症状の軽重に関係なくこうした宣告を受けなければ介護サービスが受けられないというのでは、保険料を払っている利用者として低抗感が強いであろう。
検討中の改正案(要綱試案)では、1]法定後見に、従来の「後見」(心身喪失の常況=禁治産)、「保佐」(心身耗弱=準禁治産)のほかに、新たに「補助」(心身耗弱には至らないがなお判断能力が不十分=軽度の痴呆、知的障害、精神障害、自閉症等)という類型を加え、本人の能力に応じて弾力的な保護を図る、2]心理的抵抗の強い戸籍への記載に代わる新しい登録制度の創設、3]欠格事由とならないよう資格制限の見直し、4]配偶者法定後見制度の廃止、5]複数後見人制度の導入、6]社会福祉事業等を行う法人が後見人となれる法人後見人制度の明文化、7]財産管理とともに身上保護の重視、8]後見人の監督体制の充実、9]本人が後見状態になる前に契約で後見人を選任する任意後見制度の導入等が盛られている。