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いる起業家も三〇代。二四時間巡回型在宅介護サービスで有名な(株)コムスンを傘下に収めた折口雅博さん(三八歳)。かつて東洋最大のディスコ、ジュリアナ東京のプロデューサーとして話題をさらった人物である。日商岩井の社員としてディスコを作ったあと脱サラして人材派遣会社を設立、昨年三月、在宅介護に進出したという変わり種。時代の変わり目にふさわしいニューカマー(新人類)だ。コンピュータシステムによる人材派遣業のノウハウを使って巡回介護事業の全国展開をめざしている。

 

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ディスコのプロデューサーから人材派遣業、在宅介護と三段飛びして話題の折口コムスン社長。

 

それにしても四億円もの赤字を抱えていたというコムスンを敢えて買収するほど介護は魅力的なビジネスになるのか?身体介護の報酬が一時間当たり五〇〇〇円以下なら採算に乗らぬはずだが、折口社長は次のように断言する。

「私は報酬が適正水準になるまで待つのではなく、金額を上げるべきだと主張します」。政府は介護サービスを提供する事業者として民間企業がこの分野に進出してくることを期待している。だが、介護報酬が適正利潤をもたらさない水準では民間企業は進出できず、結局、介護保険は機能しないと折口社長は信じているからだ。

介護保険以前は「福祉の対象は一握りの貧者と弱者」というイメージが残っていたが、介護保険が実施されると福祉の対象は国民のすべてになる。福祉は「普通の人々のためのサービス産業になる」のだから普通のビジネスの仕方でやっていくという。

白澤政和大阪市立大学教授は九月四日の福祉ワークショップの基調講演「公的介護保険下の在宅サービスの経営戦略」の中で福祉のビッグバンによって福祉事業者は「勝ち組と負け組に分かれる」と述べた。翌日の'98日本生命財団シンポジウム「高齢社会を共に生きる」では、三浦文夫日本地域福祉学会会長は「親方日の丸の社会福祉ではだめだ。社会福祉法人だけでは国民の福祉サービスニーズに応えられない」と言い切った。また、先の林さんはネットワ

 

 

 

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