とに気付きました。全く家を出られず｢これまでどうして生活されていたのだろう｣と驚かされるようなこともたびたびでした。そうした高齢者、約三〇名のみなさまに対しては、それぞれの事情に合わせた細やかなサービスが必要です。買い物の注文は、店にない物も実費のみでお届けします。またそのついでに話し相手をするなど、心も届けます。当初は担当を決めていなかったのですが、毎回人間が変わると利用しづらいため、現在は、数名の特定者が担当しています。おかげさまで何かにつけて高齢者がご連絡をくださるような信頼関係を築くことができました。商店街の活性化からはじまった活動ですが、意識しないところで自然に地域とふれあう活動へと展開してきました。緊急の時などは、地域の福祉等への橋渡し役もできますし、私たちが買い物を代行することでヘルパーさんがほかに時間をかけられるようになったという声も聞こえ、地域の役に立っていることを実感しています。
いろいろな情報を集めて、きめの細かいサービスを広げていきたいと考えています。｢パティオくらもと｣は、一二組合員十四店舗の構成です。決して大きな力はありませんが、がんばってこのサービスを続けていくつもりです。また、このサービスを続けていくおかげで、大切なものが少しずつ見えてきました。市場原理や利益の追求だけが商売ではないことにも気付かせていただきました。何よりも今、このサービスを必要としておられるお客様は、商店街がかつて繁栄していた時の大事なお客様であったはずです。そのことに感謝をして、ご恩返しをするのが、われわれ商売人の努めであろうと考えるようになりました。
