生活の変化に対応できない「男」の引きこもり現象
中年の孤独死はほとんどが男性である。男は一人で生きるのが苦手なのか。仕事から離れると、社会から切れてしまう。上田医師は、女性のように、生活の基本的なところでの生き方を学んでこなかったために、職場を失うと、どうやって時間をつぶしていいかわからなくなってしまうのだという。
通院したり、断酒会に入会したりするようだとまだしも、閉じこもってしまうと、自治会役員、ボランティア、巡回訪問員の誰の訪れも受け付けない。引きこもり現象である。
閉じこもっている人を無理に引き出すことは、プライバシーの侵害もあって、できない。
ポートアイランドのある仮設住宅では、この三年間に二四人が亡くなり、うち男性が二〇人、孤独死は一〇人、うち男性が八人だった。ほとんどが自治会に参加していない。近所付き合いもしていない。