巻頭言 No.22
住民のための行政 -NPO法発足に当たって
● さわやか福祉財団理事長 堀田 力
1] 給食NPOへのサポートを続けよう
食事は生きていくための基本である。
だからこそ、食事は、また、温かい心のふれあいを生み出す。
お腹がすいてきたとき食事を提供してくれる人に対して、自然に生まれる感謝の気持ち。親に対してそういう気持ちを持たない子供は、自立した人間には育たないであろう。
そういう気持ちを持った子供は、自分を大切にし、だから、親といい人間関係を結ぶ。
提供してくれる人が義務として提供するのでなく、ボランティアとして提供してくれるとき、普通の人なら、親に対する以上に感謝の気持ちを持つであろう。
その気持ちが、心のふれあいを生み、提供される人に安心感を、提供する人に充足感を生み出す。
それがあるから、ボランティアたちは、全国各地で、身体の不自由な高齢者たちに対する給食活動を展開してきた。
ところが、自治体によっては、給食活動などを行っているNPOに対する補助金を打ち切るところが出てきている。理由は、一口でいえば体制整備であるが、その内容は、たとえば、公的介護保険の実施にそなえて、法人格を持つ事業者に給食事業を請け負わせるためであったり、補助金の使い道を変更したりとさまざまである。