のために市民の側からの、利用者の立場に立ったデータベース作りと情報発信が求められている。情報が増えれば増えるだけ、お互いのサービス内容が比較できるわけで、「より良いサービスをたくさん持っている施設や事業者が選ばれ、そうでない施設の努力目標にもなり、地域全体のサービスのレベルアップも図れると思います」(高橋医師)。
「在宅支援・草の根ネットワーク」の活動は「介護情報」を核とした医療・福祉の専門家と市民ボランティアの共同作業である。「在宅介護の第一線で活動する人材のネットワークもでき、さらにコミュニケーションを深めていきたい」(矢野氏)。
高橋医師は、自治医科大学を卒業後、滋賀県朽木(くつき)村に赴任、人口二〇〇〇人に医者は高橋さん一人という過疎の村で、定期往診をしていた。ここで地域医療・福祉の推進のためには、プロ(医者)と村民(市民)の協力がいかに大事か実感したという。そのときの経験を、今回フルに生かしたわけだ。
全国のボランティア団体も、この先進事例から多くを学べるのではないだろうか。