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メンバーは広島県御調(みつぎ)町の公立みつぎ総合病院や、新潟県大和(やまと)町のゆきぐに大和総合病院とその関連施設を訪れ、利用者本位のサービスとはどんなものか実際に体験した。「県の施設と町の施設を一体化して、利用者に喜ばれている運営方法、また『どんな人でも受け入れます』という姿勢に感動と衝撃を受けた」(高橋医師)という。

 

施設へのアンケートはA4判用紙に六枚分

公的介護保険がスタートすると、一人ひとりのケアプラン(介護メニュー)が作られ、それに沿って介護が行われる。プランは自分自身や家族が作ればいいのだが、実際にはケアマネージャー(介護支援専門員)に任せることになろう。その際、欠かせないのが、どこにどんな施設や資源があり、どんなサービスが受けられるのかという情報だ。これが地域ごとにまとめられ、情報公開されていて初めて、介護を受ける人やその家族は、要求に合った選択ができるはずだ。最善のケアプランの前提となり、また裏付けするのが、こうした詳細な「情報」である。

その点、「草の根」のホームページは理想的な内容で「ケアマネージャーを支援するソフトであり、少なくとも基礎資料にはなるはず。多くのケアワーカーやソーシャルワーカーに存分に使ってほしい」(高橋医師)。

データベースの作成は、どれだけ正確でち密なデータが集まるかがポイントだ。「草の根」委員会は宇都宮市内の在宅開運全五四施設に対し、サービス内容についてアンケート調査を行った。この調査用紙の作成に一番苦労したという。たとえば「医療的ケア」では「人工呼吸器を付けている人のケアはできるのか」「膀胱洗浄はできるのか」「人工透析を受けている人のケアは」など症状別に細かく聞き、調査用紙はA4判の大きさで六枚分に及ぶ。

「お年寄りは一人ひとり必要な介護が違いますし、介護する側も知りたい情報の内容が違います。それらをできるだけ多く集めて分類整理するのが何より大変でした」(とちぎボランティア情報ネットワークの矢野正広事務局長)。

 

 

 

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