羞恥心をいつまでも忘れずに
松本 俊二さん 75歳 三重県
7月30日、伊勢市老人クラブ助成リーダー研修会に招かれ、老人性痴呆について話をした。それは私が特別養護老人ホームの囑託医として毎日痴呆性老人に接しているためである。痴呆老人の病前の生活を調べると、人付き合いの少ない消極的な社会生活を送ってきた人が多いことがわかる。孤独や没社会、没趣味の人に多いこともわかる。
目、耳、口、足、手を動かすことが大切です。そして羞恥心を持ち続けることも大切です。こんなことを具体例を挙げて話をいたしました。たとえば、口を動かすことはカラオケ大会に参加すること、足を動かすことは伊勢神宮参りをはじめお宮様巡りなど。手を動かす編み物。目を動かず百人一首、カルタ取り、テレビを見る。耳は昔の音楽(小学唱歌など)を聞く。そしていつまでも羞恥心を持ち続けること。羞恥心をあきらめたとき、ぼけてしまうような気がするといった事など、特養での生活から日頃感じたことを話しました。
[堀田] 愛情のネットワークの基礎には、それぞれ恥じらいが要ると学びました。
盲導犬
池田 功さん 54歳 埼玉県
私の知人で盲導犬のお世話になっている人がいる。盲導犬という言葉は知っていても実状について知っている人は少ないように思う。盲導犬の数は増えてはきたが全国的に1000匹に満たず、37万人の盲人の数に比べ絶対的に不足している。こうした現状ては、理解している人が少ないのも当然かもしれない。
以前、レストランに入ろうとして「犬を連れている」との理由から断られたことがあった。盲人にとっての盲導犬は「番犬」や「愛犬」ではない。盲人の目であり体の一部なのだ。このことをいくら説明してもわかってもらえず、くやしい思いをしたことがある。最近ではさすがにこんな店は少なくなった。