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学校ボランティア

 

 

「手打ちそば」を老人ホームへ

宮城県立村田高等学校 教諭 若松 裕子

 

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学校内の畑にて、そばの秋の収穫の様子。

 

本校は、昭和二三年に県立高校として認可され、平成七年四月に総合学科の学校として新たにスタートした。そして、平成九年三月に最初の卒業生を送ることができた。この活動は、本校が平成七年度宮城県長寿社会協議会ボランティア推進校の指定を受けたことがきっかけとなって進められている。

ご老人たちに喜んでいただける行事を計画している際、PTAの方から、昔村田町でも各家庭でそばを栽培し、食していたと聞き、それでは、その懐かしい味を味わっていただこうと、PTAの方々のご指導、ご協力を得ながらはじめた活動である。

活動内容は、ボランティア活動として、調理部、家庭クラブ、福祉系列で学んでいる生徒たち二〇〜三〇名が交互に、PTAの方の指導で、学校の畑に夏種まきをし、秋に刈り取り、収穫を行い、冬に施設に出向き、手打ちそばの実演を行い、ご老人たちにそばを食べていただく行事である。その際には、同窓生のそば打ち名人の方のご指導をいただき、調理は施設の方が、それぞれのご老人の状態に合わせた調理方法・味付けにして食卓に出していただいている。

材料等の経費については、調理部が文化祭の模擬店で得た収益金を充てている。

保険は施設への移動に教員の車を使うので学校で加入しているものを利用している。

この活動を通して、生徒たちは人の役に立つ喜びを実感している。種まきは八月初旬の最も暑い時に行い、刈り取りも身体全体が汚れる作業であるが、施設のご老人に食べていただくことを楽しみに、夏休みや放課後であるにもかかわらずがんばっている。だから、冬になると施設に持って行く日がとても待ち遠しく、自分たちが作ったそばをおいしそうに食べてくれるご老人たちの顔を見て、うれしい気持ちになるようである。

また、この活動をご指導してくださるPTAや同窓生の方々への感謝である。

 

 

 

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