堀田 あと何か決めごとはありますか?
小川 月に二回ミーティングをするんです。意見の違いをオープンにする。私が気付かないところで、いろんな意見が出てくるんです。席の座り方、掃除の仕方、下駄箱の使い方…。たわいもないことなんですが、他人が集まって暮らすわけですから小さいことでも大切なことなんですね。
堀田 家族だって衝突するけど、血のつながりがあるからたいていの場合妥協しますよね。グループホームという生活では小川さんのようにやはり最後に調整する人が必要なんでしょうか?
小川 それもあるでしょうが、ただ見ていますと、逆に他人だからこそ収まっているんじゃないですか。自分の母とのことを考えても、親子だからずいぶんきつい口調でけんかもしましたし、いわなくてもいい言葉をいって傷つけ合ってきたこともあります。他人なら、最後の一線をのみ込みますね。これをいったらいけないと。いわないといういたわり、大人の分別が自然にあるんですね。
堀田 逆にいえば、それだけ自分を押さえられる人じゃないとこういう生活にうまく収まらないということかな。
小川 それはありますね。やっぱり協調性がないと無理ですね。あんまり細かいことに神経質になると共同生活はできませんから。
堀田 今までに合わなくて出ていかれた方はおられますか?
小川 八年間の中で、三ケ月で出