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第二に、サービス提供が措置から契約へ変わるというのは、1]利用者がサービスを評価、選択した上で利用できること、そして、2]利用者がサービス計画を通じて、事前に受けるサ−ビスの内容を知り承認すること、を前提とする。そのため、利用者がサ−ビス内容を理解、評価、選択できる、そしてサービス内容を確認した上で承認できることを助ける、情報提供システムが必要になる。

第三に、介護保険では、利用者のニーズを実際のサ−ビスに結び付ける役割を果たす介護支援専門員(ケアマネージャー)が、新しい専門職種として加わった。介護支援専門員は、介護の専門知識はもちろんのこと、サービス情報の把握、サービス事業者間の調整などの能力が求められる。また、厚生省は介護支援専門員を四万人養成する計画であるが、人材不足や多大な業務負担が懸念されている。従って、介護支援専門員が十分にその任務を果たせるように、サービス情報提供のシステム、利用者のニーズに合致する介護計画を作成するための支援ツール、サービスの手配・調整を円滑に行うためのネットワークシステムなどが求められる。

第四に、介護保険は可能な限り居宅において日常生活が営めるようにするということを目的としているが、高齢者の身体状況をモニターしたり、独居老人の安否確認やコミュニケーションの手段として、情報機器の活用が必要になる。

 

3. 何が変わるのか

それでは、情報システムを導入することでどのような変化が起こるのだろうか。情報システムを活用した試みのいくつかをここで紹介し、導入効果について述べる。

1] 福祉総合情報システム

愛媛県松山市では、六課・一保健センター・一〇支所を結び六四業務から成る、福祉総合情報システムが稼動している。このシステムでは、福祉に関係する部署ごとに複数の台帳で管理さ

 

 

 

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