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ここが問題

 

 

公的介護保険と情報化

住友生命総合研究所 生活部 副主任研究員 長倉 真寿美

 

1. 介護保険成功の鍵

介護保険の導入は、社会福祉サービスの提供が措置から個人の選択に基づく契約へと変わる、社会福祉のパラダイム転換である。現行の老人福祉制度では、利用者がサービスを自由に選択できないことが問題になっており、介護保険制度創設のねらいのひとつは、それを解消することにある。しかし、これですべての問題が解決されるわけではない。介護保険の導入が、利用者にとって満足のいく、つまり利用者本位のサービス提供に結び付くようにするためには、1]十分なサービス供給量の確保、2]多様なサービス選択肢の確保、3]サービスに関する十分な情報提供、4]サービス提供機関どうしのネットワークづくり、5]専門的な立場からの事前計画に基づく介護サービス提供(ケアマネジメント)の徹底などの、サービス提供体制の基盤整備が必要になってくる。

そして、ここに挙げた基盤整備を行う際のキーワードが、情報の整備と活用である。

 

 

 

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