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は十分になされているとはいいがたい」と指摘し、介護サービスは、1]取引内容の重大性、2]取引類型の新しさ、3]対象が高齢者であるという特徴から「通常のサービス取引に比べて消費者保護の要請が一段と高い分野である」と述べている。

及川国民生活センター理事長によると、これから二つの分野で消費者間題の"爆発"が予想される。それは金融ビッグバンと介護保険だ。そこで国民生活センターは今年から両分野の消費者の権利を守るためのプロジェクトチームを発足させ、苦情処理マニュアルを作り、全国三五〇ケ所の消費生活センターを結ぶオンライン情報ネットワークを活用して介護保険関連の苦情処理に対応するという。

イギリスは金融ビッグバンを実施する前に金融消費者保護法をつくっている。金融ビッグバンの消費者トラブルは金で片が付くが、介護保険の場合は当事者が要介護者だけに命にかかわる問題である。

「高齢者福祉の経験や知識を持つ一般市民やボランティア団体が介護保険の消費者保護活動に参加していただければ心強い」と及川さん。この分野でも市民参加が期待されているようである。

 

(図表2)物が壊れたり、けがをしたことへの対応(所属機関別)

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(国民生活センターの「ホームヘルプサービスと消費者問題」より)

 

 

 

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