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療を受けたケースも報告されている。調査・分析を担当した国民生活センター主任研究員の木間昭子さんは「お年寄りの多くは被害を受けても黙っています。『クレームを付けたためにヘルパーが来てくれなくなったら困るから』でしょう」と高齢者被害ならではの特徴を指摘する。

 

(図表1)「ヘルプ活動中のけがと治療」

"けがをしてしまったことがある"という回答のうち、状況が明らかなもの39件について集計されたもの。

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(国民生活センターの「ホームヘルプサービスと消費者問題」から作成)

 

万一の事故にどう対処すべきか

これから介護事業を担うシルバービジネスの現場では、こうした点はどうなっているのだろうか。介護保険関連市場にいち早く参入したベネッセコーポレーションに話を聞いてみた。ケアスタップ(ホームヘルパー)に人材を確保して、トラブルを未然に防止する手立てを整え、「事故の起きる確率を最小限にして、もし起きたときには利用者に十分納得してもらえる事後処理をする」(ウェルネスセクター本部の話)そうだ。同社は六〇〇〇人の二級ヘルパーを養成してきたが、その中から有能な人を選んで同社のヘルパーとして契約している。契約ヘルパーには事故の予防や事後処理に関する研修を受けさせ、

 

 

 

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