え(笑)。でも、勉強してマイナスになることはないし、何か、ひとつでも自分にプラスになったらええと思い切ったんですわ。そして、"女の人には無理や"と渋る学校側に、もう、年であかんかったら退散しますから、邪魔せん程度におらしてくださいと頼み込んで、入れてもらったんです」
京都市南区にある『京女工房』の事務所。もちろんこの事務所を改装するにあたっては、横田さん自らが指揮を取った。
金槌ひとつ打つにしても、材木によって力の入れ方を変えるなど、コツがあるのだそう。
同校では初めての女性の訓練生だったのだ。だが、横田さんは持ち前のファイトと明るい性格で、中卒、高校中退という若い男の子に交ざって三年間がんばり抜き、労働省認定の大工資格となる二級技能士補を取得。同期入学者二八人のうち、卒業に至ったのは一二人という難関をくぐり抜けての快挙であった。 「昼は現場に出て、あわてて家に戻って家族の食事の用意をし、夜七時からの授業に間に合うように家を出る。正直いって、しんどいことも多かったですよ。しかも実技はまだしも、講義では"サイン"(sin正弦)と
同校では初めての女性の訓練生だったのだ。だが、横田さんは持ち前のファイトと明るい性格で、中卒、高校中退という若い男の子に交ざって三年間がんばり抜き、労働省認定の大工資格となる二級技能士補を取得。同期入学者二八人のうち、卒業に至ったのは一二人という難関をくぐり抜けての快挙であった。
「昼は現場に出て、あわてて家に戻って家族の食事の用意をし、夜七時からの授業に間に合うように家を出る。正直いって、しんどいことも多かったですよ。しかも実技はまだしも、講義では"サイン"(sin正弦)と
前ページ 目次へ 次ページ