● 公的介護保険の実施は絶好のチャンス
二○○○年四月に公的介護保険制度が発足すれば、全国の市区町村は、介護を必要とするすべての高齢者の介護をする義務を果たさなければならない。
これで、身体の安心の面では大きく前進することになる。残るのは、心の安心、生活の安心である。
これがそろわないと人は幸せに暮らせない。しかし、生活の援助や心の交流を公的介護保険に人が求めると、保険制度は破綻する。
だから、公的介護保険制度と合わせて、全市区町村に、ふれあい活動を展開する組織が生まれ、根付くことが必要である。
そのことを、市民だけでなく行政も関係諸団体も認識し、みんなでふれあい社会を創ろうという意思を持って協力していかなければ、全国にそういう社会を実現することは不可能である。
そして、公的介護保険制度の実施は、市民や行政や関係諸団体にそういう認識を広める絶好のチャンスなのである。
● 草の根レベルでの働きかけ
ふれあい活動の大切さを身に染みて実感しているのは、平素そういう活動を展開しているふれあい組織の人々であろう。さわやか福祉財団の三二名のインストラクターは、その代表である。
本年二月のインストラクター会議で、このチャンスを逃さず、ふれあい組織のない地域にも組織づくりを働きかけていこうと合意した。その戦略は、「ふれあい組織づくり推進大綱」(本誌98年4月号付録版)にあるとおりである。東北地区や東海地区、そして関東地区でも、頼もしい働きかけが成果を挙げつつある。
そして、インストラクターの挙げる成果を受け止め、組織の形にしていくには、従来から財団が行ってきている組織づくり支援事業ががんばらなければならない。
● 自治体プロジェクト
市区町村には、介護保険準備室とは別に、ふれあい組織支援プロジェクトを発足させてほしい。市区