巻頭言 No.21
ふれあい社会の実現戦略
● さわやか福祉財団理事長 堀田 力
● 目指すふれあい社会
たとえ家族と離れ、一人になり、身体が不自由になっても、最後まで安心して暮らせる社会。
そのためには、一方で、在宅医療サービスや公的介護保険制度による介護サービスがきちんと提供されなければならない。
もう一方で、給食や移送など、公的サービスが提供しない生活援助の活動や、散歩に付き添ったり一緒に語らいながら食事をするなど心の交流をする活動が、全国どの地域でも身近に展開されていなければならない。
そういうふれあい活動が無理なく展開される社会にするための基本戦略は、幼いうちから、みなが、自分を大切にし、人を大切にする心を身に付けていく仕組みをつくることであるが、ここでは、公的介護保険の実施の機会をとらえて展開するふれあい組織づくりの事業に絞って、さわやか福祉財団の戦略を述べる。