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活動を通して形には表れないたくさんの財産をもらいました

 

国生さんの言葉の端々からは、地域に対する熱い思いが感じられる。団体のまとめ役としてのご苦労も多いことと察するが、そんなことはみじんも感じさせず、イキイキと輝いている姿が実に印象的だ。

「根が楽天的なだけ」と笑う国生さんだが、「もしそんなふうに見えるとすれば、活動を通して、みなさんからたくさんのエネルギーをもらっているせいかしら」とも。

「たとえば、入会時は、"私は体が弱いので、大したこともできないし、月に一日ぐらいしかお手伝いはできないと思う"とおっしゃっていた会員さんが、あれよあれよという間にベテランになられて、"あなた、体が弱いんじゃなかったかしら?"と聞いたら、"あら、いつの間にか、元気になっちゃったみたい"とケラケラと笑い合うみたいなことは、日常茶飯事。きっと、彼女は、ケアをする相手から元気をもらったんだと思うし、その話を聞いた私も、ますます元気になる。元気の相乗効果というやつですね(笑)。もちろん、信頼できる仲間、ケアを通じての楽しい思い出や得難い経験、そうした形に表れないたくさんの財産ももらえたことも大きい。こうした思いは、私だけでなく、活動しているすべての人に共通してるんじゃないですか」

小さな一つひとつの積み重ねから、共に生きているという連帯感が生み出され、一方で、活動のエネルギーも増幅させていく。このことを『ふきのとう』はみごとに実証していた。

 

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定例会の様子(事務所にて)。

 

1987年

10月 住民互助型の助け合い組織をつくろうと、仲間に呼びかける

11月 有志10名前後で、月1回の勉強会をはじめる

● 先行する他団体の資料集め

● 団体見学

● 組織内での役割分担の決定

1988年

10月 設立メンバー10名が出資金として1万円ずつを出し合う。これを元手にチラシを7000部刷り、近隣の団地を中心に配布。すぐに依頼が入り、実質的な活動を開始

1989年

3月 第1回総会を開催

 

千葉県四街道市に本拠地を置く『たすけあいの会 ふきのとう』は、お互いを思いやり、お互いの関係を大切にして、お年寄りも、障害のある人も、健康な人も、大人も、子供も、安心して暮らせる地域づくりをめざして、1988年10月に誕生した会員制の在宅福祉サービス団体。現在、会員数は222名で、月平均活動時間は700〜800時間。会費は年額2000円で、賛助会員の場合は1口3000円。サービスの費用は、1時間につき700円を原則とし、うちlOO円を会の運営費に充てる仕組みとなっている。また、在宅サービスだけでなく、福祉についての討論会、老人ホームでの訪問喫茶、小学校の空き教室を利用した学校喫茶の開催など、幅広い活動も行っている。

連絡先 〒284-0005 千葉県四街道市四街道1521-19 TEL/FAX043(424)0233

 

 

 

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