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今回参加した二四名の子供たちのうち、自分のおじいちゃんやおばあちゃんと同居している子は一人もいなかったと聞く。それもあってのことだろう、最初は接し方がわからないのか、お年寄りを前に子供たちは少々戸惑い気味だったが、それも徐々に緩和。自分たちのプレーに一生懸命声援を送ってくれるお年寄りに子供たちから声を掛けたり、一緒に写真を撮ったりするなど、時間がたつにつれて、温かなふれあいが数多く見られるようになった。

 

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ガンバ大阪の旗を手にあいさつ。Jリーガーの参加に子供たちの目が輝く。

 

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少年たちの手が自然に高齢者の方々の肩にやさしく触れて…。温かいぬくもりが伝わる。

 

大阪市立弘済院福祉課の有本俊雄さんは、「今回参加してくれた子供たちは、ほとんどがこの近辺に住んでいると聞いています。この活動を通して、自分たちの町には、こんな施設もあるんだということを知り、お年寄りの存在を身近に感じてもらえればうれしいですね」と話していたが、今回のふれあいの中で、子供たちが、有本さんの言葉通りの、いやそれ以上の収穫を得たことは間違いないだろう。さらには、帰り際、私に向かって「ぼくにも、おばあちゃんがおるねん」と話してくれた子供のように、その収穫を自分たちのおじいちゃん、おばあちゃんとのふれあいに重ね合わすことができたなら、うれしい限りである。しかし、それについては心配していない。私の中に、あの時のおばあちゃんの手の感触が残っているように、子供たちにもきっと、同じ感触が残っているだろうから。

(今回、高村さんはボランティアでご寄稿くださいました)

 

 

 

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