金沢市内にある美容院の組合である石川県美容業環境衛生同業組合金沢支部(以下「組合」という)は、すでに三五年も前から市内にある「社会福祉法人・陽風園」四ケ所の入所者に美容カットのボランティア活動を行っています。
組合員の「入所者の中には寝たきりの方もおられ、美容室に行きたくても行けない、美容室の休みの月曜日にこちらから出向いてカットをしてあげられれば」というのが「きっかけ」でした。現在、二・六・九・一二月の第一月曜日の休日に行っており、最近では、一回六〇〜七〇人の美容室の経営者やそのスタッフが参加しています。カットのサービスを受ける入所者は、一回二五〇〜三五〇人、年間一〇〇〇人〜一四〇〇人にもなります。組合の支援体制は次のように行っています。
1] 金沢市内二五の地域から毎回各二〜四人のメンバーの参加を募り、美容室名、氏名、直接施設に行くか、施設送迎バスで行くかなどを組合事務局で確認・整理する。
2] カット奉仕の二週間くらい前に「陽風園」四ケ所の施設別の希望者を確認し、美容師の人数の割り振りを行う。
3] 組合役員も各施設に分散し、施設との連絡、進行管理等を行う。
三五年もの長きにわたって行ってきたこのボランティア、問題点もいろいろありました。
1] カット中に、ハサミやレザーで相手を傷つけてしまったり、美容師自身が傷つくことも稀にありました。美容室内の事