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のように構成メンバーの組み合せは一風変わっているが、会員の何人かに会ってみると、みな、表情は青年のように若々しい。

仕掛け人は「介護の社会化を進める1万人委員会」事務局長を務め、現在は自治体ユニット事務局長としてネットワークを切り盛りする菅原弘子さん。全国三二三二人の市町村長のすべてに文書を送って参加を呼びかけた。もうひとりの仕掛け人である岩川鷹巣町長は、次のような市町村長およそ三〇人に目星をつけて直接電話をかけた。「政治的にクリ−ンである人」「住民と直接やりとりをする人」「比較的若い人または当選回数も少ない人」である。

 

■ 土建行政から福祉自治体への転換

一〇一人の市町村長を引き付けた福祉自治体ユニットの理念と設立趣旨とは、次のようなものだった。「行政のお仕着せ福祉から、住民と市町村が主役となり、責任を持って自己決定していく福祉自治体への転換」を目標とし、そのために「市町村長は連携し、情報の把握・交換を行い」「合意した施策については国・県に提言して、その実現を図る」

介護保険を実のある制度にするのは国でも県でもない。国や県のいいなりになってきた指示待ち自治体が住民とともに歩む「福祉自治体」へと脱皮するためには、「まず自治体のトップである市町村長の意識を変えねばなりません」(菅原さん)。福祉自治体ユニットの参加資格は首長個人とするゆえんである。

意識を具現化するための行動計画は研究プロジェクトの実行とそれに基づく提案である。それは次の三つだ。

 

 

 

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