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また、当初は、有償ということで「お金もうけの団体で、ボランティアじゃない」といった非難もあったそうだが、地道な活動を続けてきたおかげか、最近では周囲の見る目も変化。地域住民の間にもその存在が浸透しはじめ、行政や社会福祉協議会からも認められるようになってきたという。

「ここに至るまでには、正直いって、何でこんなしんどいことをはじめちゃったんだろうと思ったことも一度や二度じゃありませんでした。でもね、一人暮らしのお年寄りの方から、"足が弱かったのでこの一年一度も外に出られなかったのが、会のおかげで外に出られた"といった喜びの声をいただいたり、"今はサービスをする側で、少しだけお手伝いをさせてもらっているけど、いつでも安心して気軽に頼めるシステムとして、素晴らしい会だと思うわ"などといってもらえると、そのたびに、決意も新たに、がんばろうという気が湧いてきます。そして活動を見守ってくださる会員さん、活動してくださる会員さん、個人で応援してくださる方々、"一〇年もたった思い"といいつつもがんばるスタッフの人たち・・・・・・。こうした素晴らしい"人の財産"を得られたことが、今日まで来られた何よりの原動力。おかげさまで、お金では買えない、人の真心と愛情を両手にあふれるほどいただきました」

 

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利用会員の方々の明るい笑顔が何よりの活動の励みだ。

 

いま、福祉に関しては、世の中は目まぐるしく変化している時代。約二年後に施行される公的介護保険との絡みで、今後どのような方向付けをしていくのか、近いうちに決めなければならない時期に差しかかっている、そのことについて、最後に尋ねてみたところ、「これからも、ボランティア活動をさらに進めながら、公的介護保険の指定団体にもなるという二本柱で進んでいきたい」と久恒さん。

 

 

 

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