発足に当たっては、会則、ガイドブックづくりなどの他に、手作りのポスター二四〇枚を手分けして張ったり、事務所の看板を作るためにトタン張りの板を探してきて字を書いたりと、とにかく雑務が多かったという。また、事務所は地元企業の好意で一万円という破格の家賃で借りることができたものの、カラーボックスの書類入れやイスなどは粗大ゴミから転用。さらに文房具、ファイルはもちろん、電話機までスタッフみんなで持ち寄ったというから、その苦労のほどが想像できる。
「手持ちの資金は、会員のみなさんからお預かりした出資金とバザーの売上金一八万円、あとは篤志家のご寄付二一万円だけでしたから、とにかく経費はできるだけ削ろうと。それでもスタート時の経費に約三〇万円かかったので人件費までは出ず、スタッフは、手弁当で交替で事務所に入っているような状態でした」
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