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ば、何のつながりもない。そんなこともあって、当時私は、お年寄りの仲間づくりを推進するボランティア活動をしていたんですがそのときにみなさん、"友だちができるのはうれしいけれど、寝込んだときのことを思うと不安。いざというときに助けてくれるような会がほしい"と、口々におっしゃられましてね。それで、私たちの手でつくろうと決心したんです」

当時、まだまだ有償ボランティア団体は少なく、川西市内でもひとつもなかった時のこと。ボランティア仲間や市のシルバーボランティア講座の修了生に呼びかけて、設立に向けて走り出したのは平成五年の夏のことだった。以来、紆余曲折もあって二年近くの歳月が費やされたが、平成七年七月にはなんとか発足までこぎつけた。

「お金もない、知識もない一介の主婦の集まりが、ひとつの団体を立ち上げるというのは、本当に大変なことでした。会則ひとつを決めるにしても、なかなか意見はまとまらず、試行錯誤の連続。なかでも頭を悩ませたのは、お金の問題。会則で、会員になるには一人当たり二万円の出資金をお願いすることにしたんですが(退会時には返還)、もし、運営がうまくいかずに、この出資金を使い込んでしまったら、一体、誰が弁償するんだという話になりましてね。そうなると、もう一歩も前に進めず、一度は、設立をあきらめて白紙に戻したこともあったんですよ。それでも、せっかくここまで勉強したのだからと、再スタートを切って・・・・・・。とにかく最終的には、老若を問わず、同じ地域に住む人たちがカを合わせて助け合う、新しい町づくりをしたいという"思い"だけで、突っ走りました」

 

 

 

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