北海道、旭川市街から車で南東に三〇分。神居町共栄は、旭川で最も早く開けた稲作地帯だという。この水田が広がる道を進んだそのドン詰まり、三方を国有林で囲まれた山の一角に齋藤牧場はあった。 牧場というと「サイロ(円筒形の倉庫)がそびえ立つ大草原」をイメージする人も多いと思うが、齋藤牧場には、なだらかな草原も、牧場の代名詞であるサイロもない。山は大きな岩石だらけで、木もある、村もある、熊笹や雑草の繁ったところもあると
北海道、旭川市街から車で南東に三〇分。神居町共栄は、旭川で最も早く開けた稲作地帯だという。この水田が広がる道を進んだそのドン詰まり、三方を国有林で囲まれた山の一角に齋藤牧場はあった。
牧場というと「サイロ(円筒形の倉庫)がそびえ立つ大草原」をイメージする人も多いと思うが、齋藤牧場には、なだらかな草原も、牧場の代名詞であるサイロもない。山は大きな岩石だらけで、木もある、村もある、熊笹や雑草の繁ったところもあると
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