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先日も県庁内で「たとえば人口一万人ほどの規模の町だったら、保険料やサービスはこんな具合だとモデルをつくるとか、四五歳の会社員なら、一生の中で介護保険とのかかわりはこうなるとか、もっと説明しないといけないんじゃないか」という話をいたしました。

堀田 行政からそうしたいろいろなわかりやすいモデルを例示してもらえれば、より身近に感じられますね。

橋本大 それといまも家内がいいましたように、地域の方も「何かご要望を」というと、「道が」「トンネルが」という話になってしまうので。

堀田 市民サイドの意識ですね。

橋本大 それで、なおさら市町村長さんも公共事業に目が行ってしまいがちになる。役場で一番腕の立つ人が土木課長、建設課長になり、福祉のご担当者ではそういう評価を受けていらっしゃらない方がやっている例をよく見ます。でもこれからは保健、福祉といった仕事こそが市町村、県、地域としても一番大切だという意識を持っていただきたいし、また、地域からも介護保険や何かについての要望が出るようになれば、市町村長さんも当然変わっていかざるを得ません。そんなところもひとつの課題でしょうか。

 

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"内なる介護"重視からの、意識改革

堀田 おっしゃる方はいろいろおっしゃるんだけれども、全体の市民の声というのがなかなか出ない。じゃあ何もないのかというと、家庭では特定の人に全部介護が任されて、ノイローゼになりそうな思いでおられる。連合さんの統計だと半分虐待があるといいます。なかにはお尻をつねったり。これ、責められないですよね。もう疲れてしまってどうにもならない。そういう悲惨な状況になっているのに外に出さずにがんばっている。それでは本当に幸せにはなれませんね。介護と心、なかなかむずかしいところですが、奥さま、いかがでしょうか。

 

 

 

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