さらに、承継者・縁故者の所在が不明になってしまった場合は、
(2) 新聞に公告するなどの手続きを経て無縁墓として認定されれば、そのお墓は遺骨を取り出され、墓地内にある無縁供養塔などに納められたうえで他の無縁仏と一緒に合祀される。
従来の墓のあり様から考えれば、寂しくも哀れな話ではある。
「私が生きている間はいいとしても、実家のお墓はいずれ、無縁墓になってしまうかもしれません。でも、自分で建てたお墓だって、果たしてどこまで子どもたちが承継・維持してくれるかは疑問。まあ、これも時代の流れで、いたしかたないでしょうか」と、Aさんは自嘲気味に笑う。だが、Aさんだけが特別なケースなのではなく、自分の死後のお墓の管理について不安を持っている人は、先のアンケート結果でも、半数近くにのぼっている(上記グラフ)。
ふれあい型の"グループホーム"ならぬ共同墓!?
それでも、Aさんのように、新たにお墓を建てられる人はまだ、いい。少子化時代にあっては子どもがいない夫婦や娘だけで跡取りのいない夫婦、さらには生涯独身を貫くシングルも多くなっているが、このような人々は将来、お墓の面倒を見る人がいないということで、霊園業者や寺院の中には販売を拒否するところも少なくない。業者にとっては、無縁墓ができることは困るというスタンスなのだろう。