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社会のルールを知らない子どもは、自分のものと他のものと区別がつかないから、見て欲しかったからという単純な動機から行動します。悪い事という考えのある大人は「盗んだ」「どうしてそんなことを!」と叱ってたたいたり、ガミガミ問い詰め、またやるのではと言葉掛けや疑ったりして子どもの心を乱してしまいます。

初めての時、きちんと子どもの気持ちを聞き、さらりと社会のルールを伝え、どうしたらよいかを共に考え教え、クドクドと何時までもこだわらないことです。

謝罪が必要な時には大人が一緒に謝りに行くこと、その姿勢は子どもに通じます。

 

(47) 登園拒否

新しい社会に慣れるにはそれなりの目的意識、努力、忍耐、楽しみなどが必要でしょう。今までの生活に満たされていて、何不自由のない子どもにとっては初めての体験です。ただ行かされている状態では心が重くなるのは当然です。慣れている園生活でも、友達とのトラブルや苦手な遊び、したくない昼寝があります。家では下の子の甘えを見たりすれば、口実をつけてでも行きたくなくなるでしょう。

朝だけの問題なのか、園の生活は担任の先生に聞き、帰ってからの様子などから原因を探り、それでも子どもの気持ちを認めながら、園生活に楽しみを見つけられるようにして、気持ちを整理してあげていくうちに、少しずつ気持ちが前向きになる事もあります。

家から一歩外の生活を経験することによって、その子の世界と心がひろがりながら一つの山を乗り越えている段階で、大人の協力を求めているのです。一緒に乗り越えようとしている大人の前向きな姿勢も必要です。

 

 

 

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