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(34) 左きき

左ききは習慣でなるのではなく、もともと脳の働きの左右差によって、自然とそのようになっていくのです。即ちふつうには運動神経の中枢は左脳の方にあるので、神経交換によって、右手の方がきき手となります。左ききの人は右脳の方に運動神経の中枢が集まっているわけです。

赤ちゃんの頃はまだ脳の働きが完成されていないので、左ききも右ききもありません。ですからふだんの動きをみても、左手を使ったり右手を使ったりします。そのような状態が続きながら、1歳、2歳と発育するにつれて、だんだんときき手がはっきりしてきます。そして3〜4歳頃になると、その子なりにどちらかが優位になってきます。

きき手はその子どもなりに発達するのですから、それを無理に治したりしない方がよいのです。左で持つのを心配して無理に右手で持たせたりすると、子どもにいろいろな症状が現れます。いらいらしたり、おねしょしたり、言葉が出にくくなったりします。これは脳に無理なことを要求してしまうからです。もし左ききを右ききに治そうとするなら、子どもが大きくなってから、自分からそうしようとする意思によってすることです。そうすれば両手使いという利点を身につけることもできます。

 

 

 

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