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第4分科会

 

心の健康と食生活

 

司会者  高田テルミ(貝塚市・貝塚南保育園長)

提案者  小川康枝(堺市児童福祉部保育課栄養士)

助言者  高野陽(東洋英和女学院大学教授)

 

提案要旨

 

おいしく 楽しく

-食べることが大好きな子に-

 

小川康枝(堺市児童福祉部保育科栄養士)

 

現在、子ども達を取り巻く食環境は大きく変化し、次代を担う子ども達の食習慣の形成や情緒発達、そして健康にどのような影響を与えているかを考えるといささか心配です。心と身体の成長は、食の発達と共に備わることが多く、また食の発達は遊びや生活など周囲の環境に左右されることが少なくありません。子ども達にとって食事は遊びと同様に生活の中心です。楽しい食事は人の心を和ませ、心を豊かにしてくれます。そんな中、子どもの食事に手をかけない、手をかけたくても手をかけられない親が多くなってきています。昨今の子どもの食生活の現状は、朝食を食べて来ない、おやつが多くて夜食が多い、甘いものと脂っこいものが多い、食塩が多い、インスタント食品・スナック食品が多い、食物繊維が足りない、カルシウムが足りない、肉が多く魚が足りない、偏食や孤食が多い等々、いろいろ問題があります。それを継続した結果、味覚の画一化や栄養のバランスがくずれ、肥満や生活習慣病(成人病)症候群の若年齢化といった健康への影響が起こっています。また、いま深刻な子ども達が“キレる”問題も、“食の乱れ”が関係あるとみる向きもあります。子どもの食事は栄養補給だけにとらわれないで、誰と(Who)、何を(What)、どのように(How)心をかよわせながら食べるのかが大切なことです。さらに個人差の多い乳幼児期の食事は、栄養基準量中心の考え方だけではなく、食べる楽しさを育てる、ゆっくり味わうおいしさを子ども達に知らせることが大切です。

子ども達が安心して、おいしく、楽しく食事ができる環境は、大人(保育者)が作ってあげる必要があります。

日常の保育の中で食事の大切さを改めて考える機会になればと、今回、各保育所で“おいしい、楽しい食事”にするためにいろいろ取り組んでいること、工夫していること、配慮していることについてグループ交流した内容を報告させていただきます。

 

1. おいしい食事をしていますか?

食事の強制(無理強い)や管理(監視)は逆効果

共に食事する安心感と満足感がおいしさにつながる。

 

 

 

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