心も体もリフレッシュ
国立能登青年の家 服部 謙三
板岡 和之
1 事業のねらい
許容社会とよばれている現代社会では、大人だけでなく、青少年の自己指導能力(自己教育力)も著しく低下しており、同時に道徳性も失われつつある。
今日、我が国は経済大国と言われるまでに発展しているが、青少年を取り巻く反社会的、非社会的なさまざまの問題が増加し、憂慮されている。
また、学校でも不登校などの学校不適応問題や「いじめ」問題、自殺、校内暴力等、児童・生徒をめぐる問題も深刻化している。
当青年の家では、中央教育審議会「幼児期からの心の教育の在り方について」答申の下、今後も増加傾向にある不登校問題に焦点をしぼり、心に悩みや障害を持つ児童・生徒が少しでも心を癒し、自立に向けて歩み出すことへの支援ができることをねらいとし、平成10年度に「心も体もリフレッシュ1」「心も体もリフレッシュ2」(以下、「リフレッシュ1」・「リフレッシュ2」という)を実施した。
2 事業の概要・展開
1] 募集対象及び募集方法等
新潟・富山・石川・福井・滋賀県内の各教育相談室や適応指導教室に通所する児童・生徒を対象とした。
各県教育委員会に開催要項を送付し、石川県内と近隣県の各相談室には、チラシと開催要項を持って訪問し、参加を呼び掛けた。
2] 事業の内容
「リフレッシュ1」
8月10日(月)〜12日(水) 2泊3曰
〈第1日目〉
ア 歓迎の会
対象が不登校生徒であるため、従来の開講式の形式をやめ、団体紹介と他者理解をねらいとしたグループ・エンカウンターのエクササイズを取り入れた。
また、生徒の主体性を尊重する意味で翌日の「野外活動」を自らの意志で選ぶプログラムを設定した。
イ 野外炊飯(カレー作り)夕食
自主自立と協調性の育成をねらいとし、スタッフはアドバイス程度で、生徒の活動に委ねた。
ウ 情報交換会
講師を座長とし、各相談室の相談員、生徒の担任、当青年の家の専門職員が集まり日頃の悩みや今後の対策・当青年の家の方向性について話し合った。