また、「保護者同士、悩みや不安等を語り合う場がもててよかった」等同じ悩みや不安をもつ保護者が、本音で語り合える場がもてたようである。事業後も連絡をとりあっているようである。
5] 他の機関との連携について
児童相談所、適応指導教室、教育委員会、学校等に参加の協力を依頼したが、手応えは思ったほど感じられなかった。
6] 大学生のボランティアの活用について
流通経済大学社会学部の学生に協力を依頼した。活動の場の確保という観点から、積極的に協力してくれた。児童生徒のために一生懸命活動する学生は、年齢や感覚が児童生徒に近く親しみやすく、児童生徒の心を開かせる効果が十分あったと考える。
3 事業のまとめ
(1)事業の成果
1] 保護者は教育相談の専門家とのグループ別相談や情報交換会を行ったことで、子どもの現状について理解を深めるとともに、見通しをもって子どもの自立を援助できる機会となったと考える。
2] 「知らない人と友達になれた」「スタッフや参加者と話ができた」「協力して活動ができた」等、様々な人との関わりを通して、対人関係に徐々に自信を取り戻していると考える。
3] 参加させてよかったという感想が多かった。家からでられない児童生徒にとって、このような事業の計画は効果的であると考える。
(2) 今後の課題
1] キャンプ療法が登校拒否児童生徒にとって、有効であることをより広く啓蒙し、学社融合の立場に立った、組織的な事業を展開していくことが重要であろう。
2] 児童生徒の自主性や自立性を育てるために、大学生ボランティアとしてどう対処すべきか、また、指導者としてどう支援していくのかという、事前の研修の充実が必要であろう。
3] 短期の事業が多く、自然体験の本質に触れる以前の段階で終わってしまった。宿泊数が多ければ多いほど改善する率も高いと思われる。長期の事業を開発することが必要であろう。
(3)平成11年度の事業計画について
「円滑な人間関係の育成」という観点から、多くの人と触れ合う機会を重視し、人間関係を深めるために、テント泊で健常児主生徒と交流する場を設け新たな事業として展開する予定である。