日本財団 図書館


主催者としては、勤労青年の参加者が多いことに驚くとともに、参加者のほとんどは実行委員の「くちコミ」によるものと知り青年たちが持つ逞しいエネルギーを再認識させられた。

1] 1日目

初日の第1ステージは、講話。鶴岡市国際交流専門員の女性講師を依頼し、あらかじめ参加者と対話を進めながらのスピーチをお願いしていた。さすがその道のオーソリティー、会場には喜びと笑顔が広がり、参加者は出会いの挨拶、自己紹介、母国紹介などでいろいろな国の言葉が飛びかった。講師は、「心を開いて笑顔で接すれば言葉の壁は越えられる。心が通うことが交流の始まり。自分たち地域で身の回りから交流を始めよう」と話を結び、参加者から共感の拍手を浴びた。

第2ステージは、国際交流ゲーム。挨拶ゲームに始まり、国旗を使った国当てゲーム、軽体操あり、幼少の頃を思い出させる鬼ごっこまでも飛び出した。実行委員のアイディアが的中し体育館は友好のプレー場と化した。ゲームが終わるころには誰もが和気あいあいで、次のパーティーに歩を進めた。

第3ステージは、食文化交流パーティー。パーティーには、遊佐町に嫁いだ6名の外国籍女性が自宅や公民館で調理した、韓国の肉料理とキムチ、フィリピンの祝い料理、魚介類のココナッツミルク煮を運び込んでくれた。テーブルには日本、韓国、フィリピン料理が色鮮やかに並び参加者は珍しい味に舌鼓を打ち、パーティーは夜遅くまで続いた。町内から参加した国際花嫁はほとんどが夫婦で出席、この中には数組の子供連れもあり、家族の厚い理解に支えられた微笑ましい姿が印象的であった。

2] 2日目

第1ステージはパソコンと軽スポーツの選択研修を行った。

パソコンは遊佐町公民館の施設を借りた。講師は生涯学習課長ほか3名の職員が快く引き受けてくれた。自国のホームページを見る人、慣れない手つきでキーボードを打つ人、情報機器の理解や技術はまちまちであったが、教え合い、助け合いの交流場面が随所に見られ時間が足りないほどの盛況であった。

軽スポーツは、本所でフリスビーゴルフを行った。外国籍の人達にはフリスビーゴルフが珍しいと見えて楽しい時間を過ごした。「子供のころのブーメランが、フライングディスクが懐かしい」と童心に返っている様子であった。

2日目の最終ステージは、そば打ち体験。講師からそばの出来、粉とつなぎの割合、練り方、切り込みなどの手ほどきを受けながら1時間余りで打ちあげた。鳥海山麓の地元の そば粉を使い自分たちで打った手づくり効果も加わり「味はうまい」と好評であった。

3] フィナーレ

6月8日午後2時、実行委員長が「互いの違いを認め、自分にないものを補いながら新しい文化を創るのが国際交流。日本はまだまだ閉鎖的だが、開かれた地域づくりの第1歩になれば」と今後への期待感を込めた挨拶で事業は幕を閉じた。

(3)協力体制と役割

後援6団体から8名の委員の協力をいただき、職員を含め12名で実行委員会を組織した。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION