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組織を、総務部と事業部に分け、イベントの中核をなす事業部には式典、講話、選択研修、司会、記録映像等の係を設け、若者を前面に出した組織を編成して職員はバックアップに徹した。会議は4月下旬から3回本所で開いたが、若者実行委員はこのほかに市街地で4回も集まり「会」を開いたと聞いている。

後援6団体は、ほぼ市町村で運営している組織であるが首長等の本所に対する理解は厚くありがたかった。委員の推薦、会議への協力、広報など組織が有効に機能したことは事業が成功した要因である。

 

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4 成果と課題

(1)成果

事業直後のアンケートから見た参加者の感想は、「多くの青年と話ができて楽しかった」「良い集いであった。在日外国人はもっと交流を望んでいる」「来年度も継続を」「外国人と話す勇気を得た」「講話が楽しく、そばがうまかった」などなど、おおむね良好であった。

参加者の声と主催者側の所見を総合して事業成果を次のようにまとめた。

1] 国・地域を越えた広範囲からの参加者による交流は、参加者個人の心の成長を促し、個人並びに青少年教育施設のネットワーク拡大に役立つことが期待できる。

2] 主催事業の企画、立案、実践の過程で地域、学校、関係諸機関との連携が深まり本所への理解が高まった。

3]事業後に利用者が増えたほか、9年度内に国際交流団体の受け入れ研修が3件あった。

(2)課題

本所にとって初めて導入した事業であるが解決すべき課題も少なくない。成人の国際交流経験者から「外人を集め、食べて、イベントを楽しむ日本型の常套プログラムが本当の国際交流か。本質的な交流が望まれている」また、外国籍女性からは「本音で語りたいが、 時間が足りない。日本語が難しい。在日外国人は多くの悩みを抱えているが、厳しい現実は話してはいないでしょう」との声。いずれの指摘も認めざるを得ない事実である。

今年度は、国際交流の入門期事業としては一定の成果を得たと評価できるが、充実を図って行くためには、情報収集、研修プロの開発、スタッフ確保、指導陣の資質向上など課題が山積している。今年度の成果と反省に基づいて鋭意努力を重ね次年度開催を目指したいと考える。

 

5 今後の展望

本所では、福祉団体とのボランティア交流が長く、過去16年間、主催事業「潮騒の広場」を開催し多くの人々に喜ばれてきた。10年度は、国際交流とボランティア活動をコンビにした国際交流事業を構想し、ノーマライゼーションの輪を広めて行きたいと検討している。

平成10年度国際交流事業は、平成10年11月上旬に行われ、外国籍を含む171名の参加者が有り、盛会裡に終了した。

 

 

 

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