当然、平成14年度から現在の5日制が完全になって、授業時数も減ってくる。そうしますと、今、一時的な移行措置として時間数を確保しなきゃいけない、隔週で休みがある、時間数が足りないから、少年、青年の宿泊をやめようとか、減らそうとかという現状から、 脱却できるということがありますね。
社会教育サイドからなんですが、学社融合ということを言い出して丸3年、それから今度は総合的な学習の時間というようなことでの教育課程の改善のセッティングが終わっている中で、どのくらい学校と結んでいけるか、学校に切り込んでいけるか、学校と一緒にやっていけるかということが大きな柱になっていくんだろう。それを基本的なものとしていけば、まだまだ我々の施設の存在感というのは世の中にアピールできるんじゃないかと思うんですけれどもね。
鈴木 全く同感なんですけれども、学校が社会教育施設を使うのにちゅうちょする場面というのは、今出ましたけれども、授業時間数の確保ですね。今まで社会教育施設を使うプログラムというのは大体2泊3日ぐらいが主流で、授業時間にカウントできないプログラムが定番になってしまうんですね。それで、結果的にちゅうちょしてしまうということがあったと思うんです。
したがって、施設の有効活用のために、我々のサイドで進めている長期のプログラム開発と研究の成果を単に情報を提供している段階を抜けて、感じで社会教育関係者と学校教育関係者が、一歩進んで同じテーブルに着いて、「生きる力」の育成の視点に立った学社連携・融合のあり方についての基本的な議論をして、広げる段階に来ていると思っています。むしろ長期の利用によって、授業時間に代替できるプログラムが可能になることなども議論できると思うんです。
司会 ある県で、これから総合的な学習の時間ができるので、それの移行ということで、例えば小学5年生とか中学生が全員、青年の家や、少年自然の家で2泊か3泊宿泊するということを決めたというのです。その場合、私がちょっと思ったのは、2泊とか3泊したときに、ただ学校で決めたカリキュラムでそのままやると、少年自然の家、青年の家は、ただ単なる宿泊施設になっちゃうんじゃないでしょうかと。だから、学校とそこはよく話し合って―学校のカリキュラムでやるんだったら、カリキュラムの制約があるでしょうから。しかしながら、少年自然の家、青年の家としても、青少年を育成するんだという立場があるわけですから、そこはよく話し合って、お互いにいいものをつくっていこうという姿勢を示さないと、ただ単なる、もう毎日毎日、次から次へと子どもがやってきて、みんな学校の先生が昼間どこか連れていって、また夜帰ってくるということになってしまうおそれがあると思うのです。大きなうねりの中で、ある程度きちっとした責任と主体的なものがないと、青年の家としての役割が果たせない、ただ単なる宿泊施設を貸すということになるんじゃないかということで、これからの方が、ある意味では大変なのかなと思ったことがあるんです。
さて、もう時間も大分たってきましたので、話を先へ進めたいと思います。先ほどの伊藤先生のお話のように、これから青年の家はいろいろな所と連携し、幅広く開かれた方向に進まなければと思うのです。そうなりますと、具体的に教育の場面としては、家庭教育、社会教育、学校教育との連携というか、もっと進んで融合というのがあると思うのです。