変革の岐路に立って
司会 今、独立行政法人(エージェンシー)という話が出たんですけれども、これからどういうふうになるのかというのは、現段階ではよくわからないんですが、結局、より自由になるけれども、より責任を問われるという感じになるんじゃないかと思うんですが、どっちにしても、やはり独立行政法人化を契機に、今までの事業のやり方はかなり真剣に考えないと、生き残りは難しいし、また新たなこうした中教審などに対する課題にこたえられなくなってくるのではないかなと私は思うんです。
県立や市町村立の青少年の施設も、この方向と基本的立場は変わらないと思います。例えば、文部省が中教審の答申を受けた形で、3ヵ年で緊急にやると言っている「全国子どもプラン」ですか、文部省として力を入れるんだということなんですが、その中で青年の家、少年自然の家がどう具体的に応えていけばいいのか、私たちはもっと真剣に考える必要があると思うのです。
具体的になかなか見えてこないので、何となく少し寂しい気もするんですけれども、やはりある意味では、こういう「全国子どもプラン」なんかに積極的にのって、1つの飛躍の、改善の契機にしなければいけないということだと思います。
それから、学習指導要領なども、平成14年度から順次変わって、総合的な学習の時間が設けられることになっていますが、これは教科書も多分ないんじゃないかなと思うのです。本屋さんなんかに行くと、それを見込んで既にずらっと総合的な学習に関する本がならんでいるんですね。学年で違いますけれども、多分週3時間ぐらい総合的な学習の時間があるとなると、学校だけでは対応できないだろうと思うのです。
そうすると、青少年教育施設との連携とか、共同の作業をやらざるを得ないということになると思うのです。そういうときに、学校の下請になるのではなくて、対等な立場で子どもたちの育成に持っていくというだけの意識と能力とが求められているんじゃないかなと思うのです。ある意味では青年の家が発展するチャンスではないかなというふうに私は思っているんです。
なお、青年の家や少年自然の家の大きな事業としてなり得る自然体験がありますね。それは長期にやりなさいと言っているんですけれども、これについては、民間の活用をかなり明確に打ち出しているんですね。そうすると、青年の家としても、かなりー生懸命これに対してどういう立場に立つのか、民間にプログラムを提供するような立場に立たなきゃいかんのか、文部省の施策との関連ではそういうふうに感じます。
五十川 私は、少年も青年も含んで、これからの大きな1つの目標といいますか、例えば独立行政法人化へ向かっての3年から5年の中期目標を立てなきゃいけないところへ今来ていますね。そのときの大きな柱になるのは、学校教育とどうつながっていけるかというあたりであると思います。