「長期滞在型旅行のための工夫を」というのは、先ほどから何回も申し上げてきました。つまりリゾートの考え方にもとても重要なことだと思うわけです。日本人の今の日本国内旅行の平均滞在日数、これは平均1.7日、つまり1泊2日が中心になっているわけです。海外の場合、ハワイで4泊6日、香港でも2泊3日か3泊4日、その他にも1週間滞在はざらでありません。そういう提供がなぜ日本国内ではできないのでしょうか。
お客様に滞在を楽しんでいただける工夫をどうするのか。例えば連泊をするとどうしてもお金がかかるので、2日目は20%ぐらい割引をするといった料金設定も必要だと思います。同時に滞在している間にどういうふうに時間を過ごさせるのかという、観光地全体としてのシステムづくりに発展させていかねばなりません。暇な時にぼうっとしているだけでも心やすらぐとか、あるいはスポーツや釣り、読書ができるとか、博物館や美術館を見て回れるという時間消費ができるハードとソフトが必要です。
滞在中の足の確保をどうするのかということもあります。レンタサイクルやレンタカー、これらを旅館で借りて旅館で返せる仕組み、あるいは共通のシャトルバスを利用して隣の町や隣の市域と連携をしながら一定の合理的なトラフィックシステムを提供していくなど。
2番目に「自然環境文化等の保全に配慮した観光地の整備」、要するに観光地とは美しさと、もてなしの心がなくてはだめだということです。当然といえば当然ですが、「住んでよし、旅人によし」という土地がやはり魅力的な観光地でしょう。
これからはそれほど高度成長する時代ではありませんから、やはり腰を据えて自分の観光地を見直して、美しくしていく必要性があると思います。
課題の最後、「新しい情報システムを活用した観光サービスの高度化」ですが、要するに情報発信がやはり決め手だということです。もちろん今はインターネットを使うのが一番早い方法ですが、インターネットが必ずしも普及しているとはいいがたいのが現状です。
滋賀県の集客の現状から始まって、京都との関係性はどうしても避けて通れないという話、次に京都と切り離して滋賀県のよさをPRしていくためのリゾート性、つまり、通過県と言われていること自体がメリットになるのではないかということ、それから今後の集客力について、最後に今日本全体で起こっている様々な課題を少しかいつまんでお話させていただきました。ここからはぜひ皆様方での議論にしていただきたいと思います。
○参加者(清水・長浜観光協会 統括マネージャー)
(黒壁は)いろいろな形で成功、成功という言われ方をしますが、我々自身としては実際はどうなのかなという気がしています。
観光客の多くは京阪神、また名古屋方面から北陸の温泉なりへ行かれる時の、ちょうどお昼時の立ち寄りという色彩がかなり強いと思っています。そういった面では典型的な通過観光地であり、宿泊に関しては2,000人もキャパがないというのが実情です。
○高崎
県外の人間からすると、地域でまとまっていろいろなことをおやりになっていらっしゃる。例えば地域のボランティア活動などもうまく掌握されたというイメージが非常に強いのですが、そのあたりはいかがですか。