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なかなか難しい部分はあると思いますが、まだ3年あるので、獲物を狙うといった心構えで環境の変化を見つめていくということ、そしてお客様の立場に立った集客力ということを考えていくこと、当然それは各個人個人がやっていくのではなくて、行政、産業界、県民、すべての方々が連携していくということが必要です。

○参加者

私は東京の生まれで、あまりわからないのですが、関西から見たら三重はどういう位置づけなのか、忌憚のないご意見をお願いします。

○高崎

まず、兵庫県、大阪府は小学校の修学旅行は伊勢方面が多かったですが、現在は3割程度です。20代以上の人は修学旅行で行ったというイメージがまずあると思います。

それから伊勢神宮はいろいろマスコミにも登場するので、そういう意味では知名度は高いでしょう。ただ、イメージと実際の経験値みたいなものが則しているかというと、決してそうではないと思います。

例えば東京で伊勢志摩をどういうふうに宣伝しているかというと、パンフレットでは「伊勢志摩、南紀、倉敷、岡山、広島、萩、津和野、山陰、天の橋立、四国」と、これがひとくくりです。つまり伊勢だけではなかなか来てもらえない。伊勢志摩のことをよく知らない首都圏は、逆に考えれば、最大のターゲットとして残っていると言えると思います。

○参加者

三重の情報は名古屋へはたくさん行くが、関西のほうへは来ない。関西で三重の情報がどうやって入ってくるかというと、旅行商品をつくられている部分のほとんどが伊勢志摩地区なので、ほとんど伊勢志摩の情報しか入ってこないのです。

三重の紹介をしたいということで、三重県の大阪事務所に行って、伊勢志摩以外でいいところはないかということで推薦していただいたのが、宮川村です。村の取り組みもすごくいいので、三重県の紹介をするのであれば、宮川村を取り入れてほしい。ただ、旅行会社の商品で取り入れてもらうのが番いいのですが、旅行商品になるほどの規模ではありません。

だからある意味でターゲットということであれば、伊勢志摩地区以外ももっと関西に情報を発信してほしいという気がします。

そのほかにもいいところはたくさんあるのですが、残念なことに宿泊施設がありません。こういうところは旅行会社が大々的に取り組んだら、いくらでも人に来てもらえるのにと思うのです。

○高崎

いろいろなところを紹介する手法として、旅行会社を使って、商品化をして、大々的に売り出すのが本当にいいのかという議論は絶対にしておかなくてはいけません。旅行会社がやると、どうしても採算ベースに乗せなくてはなりませんから、何人送らなければならないということになるからです。このことと観光資源をどう持続させていくのかということのギャップに苦しむ。

例えば一つの方法として、制限付きの観光があると思います。例えば年間に30人しか見られないとか、何人しか泊まれないとか、逆にそういうことによってそこのよさを生かしながら、いろいろな人に紹介していくということがあります。

 

 

 

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