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出典) 鈴木(1992);p-234、小谷(1994);p.127を一部修正した。

 

季節性による水族館の4分類を表した図表3-1に示されているように、「5月型水族館」8園館の平均月別変動係数は52%、「8月型水族館」32園館の平均月別変動係数は51%であり、両者はほぼ同じ値となっており、需要の集中度に関しては、ほとんど差が無いことが示されている。

「8月特化型水族館」8園館の平均月別変動係数は96%であり、集中度が非常に高い施設であることが数字でも示されている。

「四季型水族館」2園館の平均月別変動係数は21%であり、年間を通して入場者の季節変動が小さいことが理解されるであろう。

ではこのような季節性が何故生じるのであろうか。特に「5月型水族館」と「8月型水族館」「8月特化型水族館」の違いは、何らかの政策的な要素の結果なのであろうか。それとも、これまで検討してきた「制度的要因」「自然的要因」「地理的要因」「施設特性要因」の結果なのであろうか。以下でそのことについて検討を行なっていこう。

 

3.2 季節性の要因分析

前項で示したように、全国の水族館を季節性によって4種類に分類し、質問票を送付して回答を求めた。実際に水族館経営者が、自らの施設における季節性をどのように認識しているのか、あるいは水族館における季節性は何らかの政策によって変更することが可能であるのかを検討するためである。

 

3.2.1 調査方法

全国の50水族館の館長宛てに質問票を送付し、25館から回答を得た(回答率は50%)*16。内訳は、「5月型水族館」が8館中4館、「8月型水族館」が32館中16館、「8月特化型水族館」が8館中5館、「四季型水族館」の2館からは回答を得られなかった。

 

*16 本稿で調査対象となった全国50水族館に対して、質問票をファクシミリにて送付し、文書による回答を得たが、3園館については電話による口頭での回答である。回答者の役職内訳は、館長・副館長・支配人・所長が15人、営業部長が1人、課長・主幹・係長が5人、その他が4人であった。

 

 

 

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