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1994年の中国の輸出は、1201億ドル、輸入は1157億ドルであり、貿易黒字は53億ドルであるから、この年の観光による外貨収入は73.23億ドルで貿易黒字を上回っていることが分かる*4。表1と表2に示されるように、1996年国際観光客数は5100万人を超え、外貨収入は102億ドルで、世界での順位はそれぞれ1992年の第九位と第十五位から第五位と第九位に上り、「観光大国」に躍進した。1996年の観光総収入はGDPの3.6%にも達し、第三次産業総額の11.8%で、観光による外貨収入は全国非貿易外貨収入の31.3%を占め、国民経済発展の新しい増長点となっている。1992年観光による外貨収入が1億ドルを超えた県と都市の数はそれぞれ8と5で、1996年は15と13に増えた。観光のおかげで、貧困を脱出した人は300万人に達し、観光業はますます地域産業の柱となっている。2000年、観光収入はGDPの5%、2010年は8%になるのを目標と期待されている。92年に引き続き、97年二回目の「中国観光年」が催され、同じ年に、太平洋アジア観光協会(PATA)年会も北京で盛大に開かれた。

 

*4 95年3月1日付け『人民日報』海外版。

 

表1 国際観光客数と外貨収入の推移(1978〜1996)

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表2 国際旅行:訪中観光客数の構成(1978〜1996)

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中国を訪れる日本人旅行者は1972年に約千人からスタートし、その後少しずつ増加したが、1979年には、一挙に10万人を超えている。それ以来1988年まで毎年伸びを示し、'85年に約47万人、'88年には59万人に達した。'89年と'90年は天安門事件の影響で大きく減少したが、'91年から再び増加に転じ、1994年は年間送客量100万人の大台を超えた。1995年は更に14.4%増加して、130万人に達した(表3を参照)。

 

表3 訪中日本人旅行者数の推移(年齢と性別)

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1984年から1995年までの統計によると、日本人旅行者は中国来訪者の外国人の中で、一貫してトップを占め(大陸以外に居住している中国人を除いて)、中国への第大送客国となっている。とくに、中国東北地方の各主要都市を訪れた日本人観光客の総数は、外国人観光客の中でいつも高い比率を占めている(表4〜6を参照)

 

表4 中国東北地方主要都市が迎え入れた日本人旅行者数の推移

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