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また国別にバックパッカー数を見るともっとも多いのがイギリス・アイルランドで約30%を占め、日本の割合は約5%程である。全体を通じては欧米からが約70%を占め、日本を含むアジアの割合は約14%である。またオーストラリアを訪れる日本人観光客の中でバックパッカーが占める割合は95年度のおいては1.7%と低い。依然アジアからの観光客の比率は低いものの韓国、タイ、マレーシアをはじめこれらの諸国からの観光客の増加が著しく、その平均滞在日数においても全体で約20日を超えることから、将来バックパッカー数も増えるものと思われる(表3)。

 

表3 オーストラリアにおけるアジアからの観光客数

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また観光客を宿泊タイプ別に分類して見るとユース・ホステル以外にもバックパッカーが利用しているような宿泊タイプが示されており、ホリデー(休暇)によって訪れた者の約12%がバックパッカーと見ても良く、観光客全体の9%がバックパッカーと見なしても過言でないことが見て取れる(表4)。

 

表4 宿泊タイプ別観光客数

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日本はバックパッカーをはじめFIT(foreign independent tour)市場の成長が最も高い国と見なされている。そのため様々な形でそれをターゲットにした戦略が出てきた。例えば航空会社主導によるリーズナブルなエア&ホテル1泊宿泊券を組み合わせたユニット商品や、これを起点としての2都市周遊型タイプの旅行商品などが続々と開発されていることが挙げられる。

この様なツーリストの意志が全面的に表れる商品が増えていることからバックパッカーを含めたFIT市場は急成長しており今後さらに拡大すると考える。実際オーストラリアを訪れる観光客をツアータイプ別に見ると、その傾向は欧米と近年台頭しているアジアにおいて顕著に表れている(表5)。

 

表5 旅行形態別観光客数

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