(1) ACARS通信部
アップリンク受信したメッセージに対し、メッセージ内の機体識別番号から、自機に対するメッセージかどうかを判定し、自機に対するメッセージでない場合は破棄する。
自機へのアップリンクメッセージの場合、メッセージラベルを識別し、トラフィック情報提供に用いるC1ラベルの場合には、アップリンクメッセージをデータ処理部へ出力する。
(2) データ処理部
(a)データ受信時における処理
トラフィック情報はマルチパケットでアップリンクされてくることがあるため、最初のパケットか中間パケットか、最後のパケットかの判別をした上でデータを1まとめにする。1まとめになったデータからCRCを計算して求め、データフォーマット内のCRCと比較する。この時点で、正常異常を問わず、CRCエラー発生の有無とトラフィック情報内のデータを記録する。
但し、トラフィック情報内の観測時刻がそれまでにデータ表示部へ送信しているデータより新しい場合について、後述の処理を行いデータ表示部に送信する。
該当する処理はPCMCIAデータ入力処理、CRCチェック処理、記録処理である。
(b)近接警報出力判定処理
ACARS通信部から受信した全てのトラフィック情報に対して、データ表示部より入手した自機位置・高度との関係が、以下の近接判定条件を満足する場合、種別が「近接警報出力判定内」と定義する。「近接警報出力判定内」であるトラフィックが1機以上存在すれば、データ表示部への送信データに近接警報音を出力するよう指示するコマンドを生成する。
なお、近接警報出力判定条件は「自機との距離5NM以内でかつ高度差1200ft以内」とする。
該当する処理は近接警報出力判定処理である。
(c)データの種別分けにおける処理
「近接警報出力判定内」の条件を満たさない他機については、さらに下記の2つの条件により、他機の種別分けを行う。
・近接警報出力判定条件外で、かつ自機高度未満の高度を飛行している
・近接警報出力判定条件外で、かつ自機高度以上の高度を飛行している
該当する処理は近接警報出力判定処理である。
(d)データ表示部への送信時における処理
ACARS通信部から受信したトラフィック情報は上述の、近接警報出力判定処理とデータの種別分け処理を施した上で、フォーマット変換をし、近接警報出力コマンドと共にデータ表示部へ送信する。
該当する処理はフォーマット変換処理、シリアルI/F入出力データ処理である。