欧州統合が、限りない多様性を持つ世界において唯一のモデルであると主張するのは、尊大であり、非現実的でしょう。しかし、国際的社会、経済体制の中で国家がかつてなく相互依存を深めているという基本的な現実をふまえて、以下のような助言はできるでしょう。
-ある地域における大きな経済、社会、政治および環境の変化が、他の地域にも重要な影響を持つなら、協力は単に望ましいだけではなく、協力すべきなのであること。
-協力が本物で永続性があるなら、それをパートナーシップに組織化するべきであること。
-市場が真に自由であるべきなら、行き過ぎを緩和し、商業的な公正さを実現する規則に従うべきであること。
-ある地域における利益が維持されるべきなら、それは、成長、機会および企業活動を促進する政策と慣行を通して、あらゆる地域に広められ、共有されるべきであること。
このような現実にのっとって行動することを、単なる理想主義とはいえません。事業には見通しがあるからです。つまり、他の選択肢は費用がかかりすぎ、無秩序すぎて受け入れ難いという基本的で実用的な真実を尊重しているということなのです。
EUは統合と拡大の過程で実際問題として、そのような理解を示しました。このような進歩が、他の地域での同様な発展を触発するなら、その理念は普遍的なものとなるでしょう。